なぜ、自分のチューニングしたい先が高校生のころなのか。その理由はわからなかった。

あのころの全能感。あのころのわたしはきっとなんにだってなれたし、なんだってできた。実際にはどうかはわからないけれど、根拠のない全能感に突き動かされて、ただただ、疾っていた。そう、なんにだってなれた、わたしは。

そのなんにだってなれた高校生のころのわたしが、いまのわたしを見たとしたら、なにを、思うだろう。きっと「いやおまえめちゃくちゃロックすぎん?やばいやろ」って言うとは思う。「バツ2?やべー」とか。あのころのわたしに恥ずかしい生き方はけっしてしていないはずなのだけれど、きっとなんにでもなれたであろうあなたを、殺してしまってごめんなさいという気持ちを、たまらなく、抱く。わたしのわずかばかりの可能性は18歳で途切れた。せめてそのころのあなたの残像を鮮やかなままにこれからを生きるため、高校時代の自分へチューニングしている。

30歳までに死にたいと思っていたのは正しかったよ。