そんなつもりはなかった

気がつけば2018年も8月で、8月も22日で、この夏は平成最後で、わたしは30歳へ残すところあと1ヶ月を切った。

 思えば「30歳までに死ぬ」ことが、中二病をこじらせたわたしの思春期におけるひとつの目標であった。今でこそ中二病と揶揄しているものの、当時はもちろん120%マジのマジだ。お付き合いしていた彼ピッピにも「絶対30歳までに死ぬ。」と120%マジでこぼしていた。その彼ピッピはものの半年で別れた(その後14年経過した今でも連絡が来るのはまた別のお話)。

 こんなはずではなかった。すべてがこんなはずではなかった。今までの人生における、かなり重要度の高い二者択一を迫られる場面で、98%の人間が選ばないであろう選択肢を選びここまで来てしまった。流し流され思えば遠くに来たもんだ(椎名林檎)。

 30歳。生まれてから30年経つにも関わらず未だにうまく生きることができない。使う化粧品はいつまでたってもCANMAKE。リップバーム580円。弟ばかり可愛がられ褒められることのなかった幼少期にいつまでもいつまでも思いを馳せている。母親に抱きしめてほしかったのに抱きしめられなかった幼少期のわたしをそのまま大きくなった29歳のわたしが抱きしめる。なにかが癒えるはずもない。2度結婚した。3度目の同棲。一緒にいた・いる男に、なにひとつ本当の意味で明け渡したことはない。今も昔も変わらずわたしはひとりなのだ。ひとりだと嘆けどもすべて自分が招いた結果。だとわかったふりをして30年やり過ごしてきた。もちろん貯金はない。預金残高は13万。「人生詰んだら死ねば良いから」と言い聞かせてここまで来た。この先どこまで行けるかわからないし、別に明日死んでしまったっていいというのが正直な感想。なお文頭に「別に」が付くときは、全く「別に」の要素は孕んでいない。

 そんなつもりはなかった。30歳になるつもりはなかった。

そんなつもりはなかった。こんなにどうしようもない人間になるつもりはなかった。